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変わらないものと変化 ページ7

いつもより眩しかった。




陽の光が。窓の外が。









いつもより早く起きた。



なかなか寝付けなくて




結局、いつもみたいに寝れなかった。









まだ夢みたいだった。



あんなに人気の蓮くんが私の彼氏になったこと。








早く起きて早く行こう。



はやく、会いたい。








今日はちょっと背伸びしてみる。




ほとんど使うことの無いメイク道具。







リップを塗ってみる。



程よい血色感。淡いピンク。







今の私の気持ちみたい。




どこか浮ついてて


ふわふわしてる。








だけど、悪くない。






1階に降りるとママが待っていた。




「、おはよ、」





マ「おはよ、乃杏。今日も早く帰ってきなさいよ」






「、、うん」






ぎこちなかった。





重い空気で。





何よりも、壁があった。









けどママはいつも近かった。









勝手に開かれるスマホ。






「ちょっと、見ないでよ、勝手に、」







マ「見られちゃ困るものでもあるの。」







テリトリーに許可なく入ってくる人だった。







嫌いじゃないけど、家族だけど








親しいけど、薄い壁でもいいから



距離を1mmでも置いていたかった。









マ「誰?蓮くんって」




あー、付き合ってるの。なんてぼそっと言うから




あー、トーク見られてるのか、って。








「、ママに関係なくない?」




マ「色ボケってわけね。化粧してみたり。」






いつも棘のある言葉で。


逆撫でするような言葉で。






「ママだって、彼氏に色ボケしてるじゃん。茹でだこみたいなチークの塗り方して」








返して。とスマホを奪い取ると




後ろから怒鳴る声がした。








無視して、家を出た。









満員電車に揺られて15分。




学校の最寄りに着く。








久しぶりに音楽を聴いていた。




周りの雑音が消えて、






音楽に引き込まれて、現実から離れられる。








いつも通りの道。




平坦で、楽しくもない。









けど、早く、着きたかった。






もう着いてるかな。


今日も後ろの席にいるんだもんな。







そんなことを考えていると急に視界が誰かの背中で覆われた。





すぐ立ち止まって見上げると



蓮くんがいた。







黒「似合わないね、イヤホン姿」





「そんなことないよ?」





黒「何聞いてるの?聞かせて」



そう言って、左からイヤホンをとっていく。








肩がぶつかる距離

触れる肩→←ふたりの時間



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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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