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実は…って事の成り行きをザックリと説明する。
岩「同棲してた彼氏が浮気…」
「はい…なので一応帰る家はあって。
ただ気持ち悪くて、今夜はネカフェにでもって思ってたんですけど…」
佐「ね?こんなこと言うんだよ?ほっとけなくない?」
岩「それは確かに…」
えっ。険しい顔してるからてっきりそんな言い分通用しないと思ったのに。もしかして、娘を心配するお父さん的な…?
佐「それにさっきまで歩けないくらいベロベロだったし!」
「さっくん…!」
余計なこと言わなくていいのに!
社会人にもなって、自分で調整も出来ないの?こいつだらしなくない?とか思われたら立ち直れないよ!
岩「え?大丈夫?」
「え、あ…はい…もうだいぶ…」
岩「無理しないで。」
…優しい。どうやらこの方、見た目の印象で怖い人かと思ってたけど…案外そうでもないらしい。
岩「別にさ、これが男なら俺もいちいちこうやってうるさく言わないよ。ただ女の人ってなるとそうもいかないじゃん…」
あ…困ってる。
私の事情も知って、突っぱねることも出来なくなっちゃったんだろうなって思うとやっぱり優しい人なんだと思う。
「あの…私やっぱり…」
席を立とうとしたその時。
ガチャってリビングの扉が開いた。
阿「ただいまー」
佐「阿部ちゃんおかえり〜」
岩「…おかえり。」
また新しい名前。スーツ姿の男の人が帰って来た。
ぺこってとりあえず会釈すると私に気付いたその人が微笑んで、
阿「こんばんは、Aさん。」
「へっ…」
きゃぴって効果音がつきそうなほど可愛らしく私の名前を呼んだ。
佐「あざとっ!初対面でもそれやっちゃうの?!」
さっくんの大きな声にビックリしたツナさんがピョコンと膝から飛び降りた。
「名前…」
阿「さっき佐久間と飲んでた時に聞いちゃいました。
あ、佐久間はジュースだったから心配しないで」
そこは心配してないというか…これさっきも思ったな…
佐「涼太と康二は?」
阿「俺が出た時にはもう締め始めてたから、そのうち帰って来るんじゃない?」
しゅるんとネクタイを外したあべさんは「手洗ってくるねー」と洗面所と思わしきところに消えてった。
あべさんの帰宅で脱線してしまったけど、
「…あの、やっぱり私帰ります」
佐「え!ダメだって!」
「や…だって迷惑になっちゃってるし…」
佐「まだ酔い冷め切ってないのにどうやって帰んの?」
「それはそうだけど…」
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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時